
レゾナックは、従来品比1.4倍の曲げ強度を持つインダクター(コイル)用の磁性封止材を開発したと発表した。量子化学計算に基づく反応解析を活用し、従来の3分の1の期間で開発を完了した。2026年の量産開始を予定している。
電源回路に使われるインダクターには主に、導線をコイル状に巻いた巻き線インダクターが使われる。巻き線インダクターは、樹脂と磁性粉から構成する磁性封止材で巻き線を成型するが、樹脂と磁性粉の界面で強度が保てず、実装後に外力が加わると磁性封止材が破壊されることがある。その結果、インダクターに不具合が起きるという信頼性の課題があるという。
今回開発した磁性封止材を使うと、衝撃や湿度などによるインダクターの機能低下を抑制し、機器の信頼性向上につながるとする。
開発にあたり、独自技術の量子化学計算に基づく反応解析を用いた。磁性封止材に含まれる樹脂と磁性粉の接合メカニズムを解析することで開発速度を速め、早期の市場投入を目指した。
今回の取り組みでは、樹脂と磁性粉を結びつけるカップリング剤(添加剤)に着目した。カップリング剤の種類は非常に多く、すべてを実験で評価すると時間もコストもかかる。そこで、量子化学計算に基づく反応解析で、磁性粉のコーティングと樹脂の接合に対するカップリング剤の影響を明らかにし、適切なカップリング剤を探索、選定した。
その結果、樹脂と磁性粉の界面での接合力が向上し、従来の添加剤を用いたものに比べて、曲げ強度が1.4倍に向上した。今回の開発で用いた技術は、磁性粉のように金属を含む材料との接合強度の向上が期待できるため、金属の種類にかかわらず、金属と樹脂が接合する複合体への展開が期待できるという。
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