東北銀行と日本政策金融公庫は大槌復光社協同組合(岩手県大槌町)に対して協調融資を行ったと発表した。同組合はサーモン稚魚の養殖業を手掛けており、新たな養魚場の建設費用を融資する。東日本大震災からの復興の先を見据えた、新たな地域の基幹産業創出を後押しする狙いだ。
同協同組合は町内の建設業者を主体に2013年に設立、復興工事に携わってきた。人口減少や高齢化が進む町を盛り上げようと新たな産業創出を目指して19年にサーモン稚魚の養殖に参入した。
岩手県では海洋環境の変化によって秋サケやタラなどの不漁が続く。「育てる」漁業への転換で養殖サーモンの生産量が増える一方、県内の稚魚供給は追いついていない。同協同組合は第2養魚場を建設し、生産能力を倍増させる。
東北銀の担当者は融資の背景について「復興の先を見据えた新たな産業創出に取り組む意義は大きい」と説明した。同行は25年度からの第2次中期経営計画で1次産業支援を重点戦略に掲げている。
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