
シャープは20日、音声で対話ができる手のひらサイズのロボットを11月に発売すると発表した。独自の人工知能(AI)技術を活用し、会話内容のほか内蔵するカメラから見える景色などをもとに所有者に合わせた会話を実現した。公式オンラインストアでの販売価格は3万9600円。2027年までに10万台の販売を目指す。
その日の出来事や今の気持ちについて話しかけると、共感したり励ましたりする。都内で開かれた製品発表会では、ロボットから「今日も暑くて大好きなビールがおいしいと思うよ」と話しかけ、担当者が「今日は行くところがあるから飲まないつもりだよ」と返すと「え、いつも飲んでるのに?今日はジムに行くって言ってたよね。頑張ってるね」と答えた。
おなか部分にあるランプの色や、手の動き、声色などでも感情を表現する。口の中にカメラが内蔵されており、利用者と同じ景色を共有しながら会話することもできる。
ロボットの全長は約12センチメートルで、重さは約200グラム。家の中だけでなく、ポケットに入れたり、かばんからぶら下げたりして外でも持ち運べる。ミーアキャットをモチーフとしたキャラクターデザインで、表面には短い繊維を植え付ける「フロッキー加工」を施してなめらかな触り心地にした。
シャープや家電量販店の電子商取引(EC)サイトで販売する。実店舗での販売も今後検討する。想定顧客は20〜30代の女性で、SNSでの訴求を中心に認知度を高めるという。

シャープ通信事業本部モバイルソリューション事業統括部の景井美帆統括部長は「他社製品との違いはいつでも持って歩けるサイズ感。より愛着を醸成しやすいのではないか」と話す。
ロボットと同じキャラクターを使ったスマートフォン向けアプリも11月から配信する。月額495円の利用料で、ロボットと同様の音声対話を楽しむことができる。今回発売するロボットとアプリの総称は「ポケとも」といい、別のキャラクターを投入するなど今後もシリーズ展開を広げる方針だ。
ポケともは16年発売の小型ロボット「ロボホン」のチームが開発した。ロボホンはロボット側から積極的に話しかける機能を搭載したほかほか、ロボット同士を会話させることで所有者同士が交流するファンコミュニティーを生み出した。
対話型ロボットはロボホン以降、MIXIのRomi(ロミィ)など参入が相次ぐ。競合が増えるなか、今回のポケともではロボホンの知見を生かして消費者の心をつかめるかがカギとなる。
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