
野村不動産(東京)は、複数の企業が入居する大型の物流施設「Landport(ランドポート)小倉」(仮称)を北九州市小倉南区に建設すると発表した。造成工事が始まっており、27年9月の完成を目指す。
施設は2階建て、延べ床面積は複合型物流施設として市内最大規模の4万6694平方メートル。施設内にはドライバーやスタッフが使うカフェテリアも備える。
需要拡大が見込まれる電子商取引(EC)関連や、ドラッグストア向けの消費財などを扱う企業の入居を予定しており、新たに100~200人規模の雇用が生まれる。
九州自動車道小倉東インターチェンジ(IC)の北東約2・8キロに立地。北九州空港(小倉南区)や新門司フェリーターミナル(門司区)に近いことから、九州全域と中国地方を配送エリアとしている。

北九州市は、立地場所が開発制限のかかる市街化調整区域だったため、都市計画を変更するなどして施設建設を支援した。
9月30日に、市と立地協定を結んだ野村不動産の井戸規昭常務執行役員は「北九州は陸海空が整備され、九州から中国まで広域でカバーできる」と利便性の良さを強調。「人が集まればモノも動く。北九州ならではの工業材のニーズもあるので事業化に踏み切った」と説明した。
武内和久市長は「物流は経済の大きな柱。雇用創出や企業誘致、土地の価値上昇など相乗効果が期待できる」と歓迎した。
野村不動産によると、福岡県全体の倉庫のうち、3割が北九州に集中。そのうち8割近くが老朽化しているという。自動車や半導体の生産動向を見ながら、27年度までに3400億円を投じ、国内に15棟の物流施設を整備する計画。そのうち九州地区は、ランドポート小倉など計5棟を福岡県内に新設する方針。【橋本勝利】
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