
フランスのボージョレ地区で醸造したワインの新酒「ボージョレ・ヌーボー」が22日、仏エールフランス便で羽田空港に到着した。主要輸入元のサントリーは、前年比2%減の約3万7000ケース(1ケース9リットル換算)を輸入する。店頭想定価格は前年から据え置く。
仏パリからの220ケース2640本が午前6時5分に羽田空港に到着した。主力の「ジョルジュ デュブッフ ボジョレー ヌーヴォー 2025」の750ミリリットルは3256円。11月20日午前0時に販売を解禁する。今年の出来栄えは「日当たりに恵まれ、ぎゅぎゅっと甘濃い味わい」(サントリー)という
ボージョレは1980〜2000年代初頭に日本でブームが起きた。ただ、近年は消費低迷が続き、24年の国内輸入量はピークだった04年の7分の1まで落ち込んだ。25年の国内輸入量は、前年から微減の約15万ケースを見込む。
採算性が悪化したことで、キリンホールディングス傘下のワイン大手メルシャンは今秋、自社輸入販売からの撤退を決めた。アサヒビールも24年に撤退したほか、サッポロビールも休売しており、事実上の撤退とみられる。
足元の原材料高や円安で仕入れコストはかさむものの、酒類大手で唯一販売を継続するサントリーは供給元とコスト上昇分の吸収を図ったという。消費者が手に取りやすくするため、ハーフボトル(375ミリリットル)の輸入量を前年から2割増やした。ボトルのラベルも12年ぶりに刷新した。
サントリーでワイン事業を統括する吉雄敬子常務執行役員は「風物詩のボージョレをきっかけにワインを楽しむ消費者も多く、日本におけるボージョレ文化を継承していきたい」と話した。
【関連記事】
- ・25年「ボージョレ」、サントリーは価格維持 11月20日発売
- ・ボージョレ上陸50年、輸入量7分の1に メルシャンなど大手撤退相次ぐ
- ・ボージョレ撤退のメルシャン社長「新酒文化は日本ワインで継承」
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。