連合は23日、2026年春闘の基本構想を発表した。全体の賃上げ要求目標は今年と同様、基本給を底上げするベースアップ(ベア)を「3%以上」とし、定期昇給分と合わせて「5%以上」を掲げた。中小企業の労働組合でも、大手との格差是正分を上乗せして「6%以上」を継続した。一方、パートなどの非正規労働者については、「最低賃金の引き上げ率を上回る賃上げに取り組む」として「7%」を目標に掲げた。連合が非正規の賃上げ要求率の目標を示すのは初めて。
基本構想は、「実質賃金の持続的な上昇を伴う『賃上げノルム(社会規範)』の確立を目指す」と明記。ここ2年連続で5%台の賃上げが実現したものの、生活が向上したと実感している人は少数にとどまり、個人消費は低迷しているとして、実質賃金の1%程度の上昇を目指すとした。
中小組合については、「賃上げ結果や賃金水準を点検し、格差是正分を積極的に要求する」とした。過去3年分の物価上昇率に相当する9%以上の賃上げが直近3年で実現されていない場合は、その分も併せて求めていく方針を示した。
パートなど非正規労働者については、今年度の地域別最低賃金の引き上げ率が平均6・3%と高水準となったことから、それを上回る7%を目安とした。
連合は今年の春闘で、全体で5・25%、非正規労働者は時給で5・81%の賃上げを達成した。一方、中小は4・65%にとどまり格差是正には至らなかった。連合は今年、春闘の検証を行う有識者委員会を初めて設置。有識者委の報告を踏まえて26年春闘の方針を検討してきた。【塩田彩】
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