
【ニューヨーク=秋田咲】米ニューヨーク市内の証券業界で働く従業員の2024年の平均年間給与は50万5630ドル(約7700万円)と前年比7.3%増えた。21年に次ぐ高水準だった。賞与は25年に過去最高を更新する見通しだ。株高に伴って手数料収入など収益が拡大している。
米ニューヨーク州の会計監査官が9日、ニューヨーク市の証券業界の事業実績をまとめた。給与を押し上げたのが賞与で、総額は24年に475億ドルと過去最高で1人当たりは24万4700ドルだった。
報告書によると報酬は25年も増え続けている可能性がある。ニューヨーク証券取引所に加盟する証券会社で25年上半期に給与や賞与、株式報酬といった従業員報酬への支出は前年比およそ1割増えている。
給与増を支えているのは好業績だ。25年上半期の加盟企業の利益は前年同期比31%増の304億ドルだった。株高によってトレーディング収益が73%増えた。
ニューヨーク市における証券業界の雇用者数は25年に3000人の減少が見込まれるという。24年には20万1500人と過去最高を更新していた。
ウォール街の企業を顧客にするコンサルティング会社、ジョンソン・アソシエイツも25年に金融機関の賞与増を見込んでいる。株式や債券の販売を含む投資銀行業務では約2割増えると予想する。一方、株式・債券の引受業務や商業銀行業務では5%減少する可能性があるという。
税収面では証券業界は25会計年度に事業税や個人所得税などを通じニューヨーク市に前年比35%増となる67億ドルを納めた。トーマス・ディナポリ会計監査官は「証券業界の利益は公共サービスへの投資を支える税収にとって重要な押し上げ要因だ」と話した。
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