欧米メディアが27日、米ネット通販大手のアマゾン・コムが最大3万人の本社従業員の削減に着手する計画だと報じた。人工知能(AI)の積極活用を進める中、新型コロナウイルス禍の需要ピーク時に大量採用した人員の調整と経費削減を進める。本社部門の約8・5%に上り、過去最大規模の人員削減になる。
ロイター通信によると、アマゾンは28日に従業員に対し、メールで人員削減の通知を始める予定。対象は人事やデバイス、オペレーションなど幅広い部署に及ぶ可能性がある。
同社はアンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)の下、従来人間が担っていた業務の一部でAIの利用を拡大している。ジャシー氏は過去1年、AIに任せられる業務は自動化を推進すべきで、今も非効率な部門があるとの認識を周囲に語っていた。
ブルームバーグ通信によると、ジャシー氏は6月、従業員宛ての書簡で「AIの全社的な活用で効率化が進み、今後数年間で総従業員数は減少すると予測している」と表明。従業員に動揺が広がったという。
アマゾンの従業員は6月末時点で約155万人で、うち本社従業員は約35万人。倉庫作業員が大半を占めている。
アマゾンを巡っては、倉庫での梱包(こんぽう)作業などで自動化を推進することで、60万人以上の新規雇用をロボットに置き換える計画も報じられている。【ワシントン浅川大樹】
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