
将来宇宙輸送システム(ISC、東京・中央)は28日、宇宙旅行の実現に向けて日本旅行と業務提携したと発表した。宇宙食を食べられる体験プログラムのほか、2040年代をメドに宇宙空間に滞在できる旅行を提供する。料金は1人あたり1億円程度を想定し、2026年度から優先申し込みを受け付ける。
ISCが宇宙旅行に使用する輸送機を開発し、日本旅行がプログラムをつくる。具体的には地球上で宇宙食などを体験する「スペースツアー1.0」、日本―米国間を60分以内で移動できる高速輸送「スペースツアー2.0」、地球を離れて宇宙空間に滞在する「スペースツアー3.0」の3つのステップを想定する。
28日開いた会見でISCの畑田康二郎社長は「40年代には誰もが宇宙旅行をできるようにしていきたい」と述べた。ISCは再使用型のロケットシステム「ASCA(アスカ)」を開発し、宇宙旅行や貨物輸送の商用化を目指す。繰り返し使える再使用型ロケットを活用することで、将来的には宇宙旅行にかかる料金を1000万円台に引き下げたいとしている。
日本旅行は20年に宇宙事業推進チームを立ち上げ、宇宙旅行の商品開発を進めていた。吉田圭吾社長は「宇宙輸送を単なる技術ではなく、人の移動の新しい形として捉えている。宇宙への冒険を安全安心な旅にする」と意気込んだ。
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