
ソニーグループとトヨタ自動車は29日、「ジャパンモビリティショー2025」の報道公開で、レースゲームをトヨタ自動車の高級車「レクサス」の実車で操作できる技術を披露した。リアルとバーチャルが融合する車の1つのあり方を示す。
ソニーGの家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)」向けのレーシングゲーム「グランツーリスモ7」とレクサスを信号処理で連動させた。レクサスのコンセプトカーに乗り、ハンドルやアクセルを操作すると目の前の大型ディスプレー内に映し出されたレースコースを実車で走行するような疑似体験ができる。

記者が体験してみるとPSのコントローラーでの操作に比べ、細かなハンドル操作が忠実に反映される感覚があった。加速時の疾走感や縁石を踏んだ感触も振動を通じて伝わる。コースを2周したタイムは2分44秒だった。レクサスの担当者には1周40秒台で回る人もいるという。
まずは自宅のガレージなどで停車中の愛車でレース体験をしてもらうことを想定した技術だ。ゲーム画面を車内のディスプレーに表示するのか、別途モニターやスクリーンを用意してもらうかなどは今後検討する。サービス化の時期は未定という。
ソニーグループはゲームと実際の車を連動させる技術を「VRコックピット」と名付け、レクサスやトヨタの車以外への導入も広く検討している。
将来、自動運転技術が進化してくれば、公道の走行中のリアルとバーチャルを融合させた運転体験を実現することも想定する。

モビリティショーでの展示は一般公開する31日から1日30組ほどの枠を設けて来場者に体験してもらう。午前と午後の2回抽選し、当選すると体験できる。子供にも体験してもらいたいとの考えからチャイルドシートも用意した。
体験中の様子は録画され、来場者は配布されるQRコードから自分の運転の様子を振り返れる動画をダウンロードできる。
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