
神戸大学は29日、神戸港の人工島「ポートアイランド」(神戸市中央区)に新設したバイオ関連の研究・開発拠点「バイオものづくり研究棟」の開所式を催した。バイオ工学とデジタル技術の融合を目指す施設で、外部の大学や研究機関とのオープンイノベーションにも取り組む。スタートアップが入居できる部屋をもうけるなど技術の社会実装も促す。
神戸大の藤澤正人学長は開所式で「地域一帯を先端研究やスタートアップ創出に向けた世界的な産官学の連携拠点として発展させたい」と述べた。
研究棟は3階建てで延べ床面積は約3000平方メートル。1階には微生物の力で有用物質をつくりだす「バイオものづくり」研究に使うため、細胞培養装置など最新機器を備えている。3階は85〜100平方メートルの6つの部屋に分かれており、スタートアップのオフィスや研究スペースとして貸し出す予定だ。
新施設のすぐ南には理化学研究所計算科学研究センターがあり、国の基幹スーパーコンピューター「富岳」がある。神戸大の蓮沼誠久・バイオものづくり共創研究拠点長は「立地の強みを生かして、研究段階から連携していく」と話す。
神戸市は神戸医療産業都市構想を掲げており、その拠点となるポートアイランドには医療機関やバイオ関連企業の集積が進んできた。バイオものづくり分野で有力企業とされる神戸大発スタートアップのバッカス・バイオイノベーションも本社を置いている。
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