2027年に横浜市でひらかれる国際園芸博覧会(GREEN×EXPO)が来月4日に開催まで500日の節目を迎えることを受けて、都内で29日、企業や団体出展の一部が公開された。アンバサダーで俳優の芦田愛菜さんは「少しずつ具体的になってきている。はやく全貌(ぜんぼう)が見たい」と声を弾ませた。
27年3~9月に開催される園芸博は、花や植物、自然との共生をテーマとした万博。15年に返還された米軍の旧上瀬谷通信施設跡地の一部で開かれる。会場は約100ヘクタールで、今月閉幕した大阪・関西万博のおよそ3分の2の広さだ。
この日は、企業や団体など13の出展内容やイメージ図が発表された。
鹿島(東京都)は、大阪万博のシンボル「大屋根リング」の木材を再利用して、高さ約60メートルの木造タワー「KAJIMA TREE(仮称)」をつくる。人は登れないが、日本の伝統建築と最新の超高層ビルの技術を融合させ、会場のランドマークにしたいという。
都市緑化大手の東邦レオ(大阪市)は、大阪万博でのパナソニックグループのパビリオン「ノモの国」の機材を再利用し、ミストや音響などで幻想的な空間を演出する。住友林業(東京都)は、森の中を散策するようなデッキスペースを建設するという。
日本造園建設業協会の東北総支部は、東北6県の形を模した約600平方メートルの庭園をつくる。東日本大震災の際に世界中から寄せられた支援に対するお礼の気持ちを表したもので、来場者に東北に思いをはせ、訪れてほしいとの願いからだ。
このほか、政府出展の日本庭園や、「奇跡の一本松」の根を展示するテーマ館、盆栽などの園芸文化展示などが予定されている。建築家・隈研吾氏がテーマ館などのデザイン監修に携わる。国際出展には約60カ国が参加を表明し、現在8カ国が調印したという。
来月4日から、会場内での催事や出店、会場内の移動手段の募集を開始する。11月17日~12月22日には、来場者の案内をする「花・緑ガイドボランティア」を募集するという。
国際園芸博覧会協会会長の筒井義信経団連会長は、「世界を見渡すと、サステイナビリティーという課題へのベクトルは弱くなってきている。ただ、一人ひとりの花や緑への思いは奥深く、突き崩すことのできない強固なもの。思いを集積すれば、地球規模の課題に向かっていける」と話した。
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