NECは21日、ロボットを人工知能(AI)で自動制御する技術を開発したと発表した。AIが最適な移動経路を生成することで障害物が多い現場にもロボットを導入できる。物流倉庫や工場内の搬送や小売店舗内の巡回といった利用を想定する。2026年度中の実用化を目指す。
複数のAIがそれぞれ予測したロボットの移動経路のデータを収集し、別のAIがそれらのデータの中から最適な経路を選択する仕組み。2段階でAIを活用することで、最適な経路を正確に決められるという。
50メートルのテストコースに障害物をランダムに配置してロボットを動かす実証実験では、移動時間を従来比で最大50%短縮した。
一般的に搬送ロボットは事前にルールや手順を設定する必要がある。中小規模の倉庫や小売店舗では通路が狭かったり、陳列棚や商品が障害物になったりすることも多く、ロボット導入が進んでいなかった。その課題を解決するためにAIを使って障害物を回避する技術の活用が進む。
一種類のAIのみに移動経路を予測させた場合、移動経路の正確性にバラつきがあり、移動時間の削減は5%程度にとどまっていた。2段階でAIを活用した場合は、一種類のAIのみの場合と比べて削減率を50%に高められた。

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