日立製作所は30日、送配電設備の保守メンテナンスを人工知能(AI)によって効率化するサービスを拡充するため、2030年までに10億ドル(約1500億円)超を投資すると発表した。サービスを開発・提供する人員としてグローバルで5000人超を育成するほか、サービス拠点の整備も進める。

送配電設備を手掛けるグループ会社、日立エナジーを通じて投資する。日立は24〜27年に世界で60億ドル超を投資することを表明し、各地で変圧器などの生産能力を増強している。投資を上積みして人材採用やサービス強化も進める。

米国をはじめとした先進国では、送電線などの設備が老朽化している。故障により大規模な停電や山火事といった事故が起きやすくなっており、保守メンテナンスの重要性が高まっている。

日立エナジーはAIを用いて故障の予兆を早期に見つけるなどデジタルサービスの導入を進めている。新規サービスの開発や、顧客の設備に実装する人材を北米や欧州などで5000人規模で採用して育成する。

10億ドル超の投資とは別に、電気設備のメンテナンスを手掛ける米シャームコにも出資する。同社は米大手投資会社ブラックストーンの傘下で、送配電網やデータセンター、工場などにある電気設備を修理したり、試験したりするサービスを手掛ける。米国やカナダに約40カ所のサービス拠点を持つ。

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