住友ゴムが開発したロシアタンポポ由来の天然ゴムを配合したタイヤ(30日、東京都江東区)

住友ゴム工業は30日、ロシアタンポポから採取した液体で作った天然ゴムを配合した自動車用タイヤを開発したと発表した。タイヤ業界で一般的に使われる天然ゴムに適した樹液の産地が赤道近くの一部地域に偏重している問題に対処する。住友ゴムによれば、開発は国内メーカーでは初めて。実用化までにはコストなどの課題が残るものの、時間をかけて量産技術の確立を目指す。

ロシアタンポポはロシアの国名を名前に含むが、温暖な気候を好み、世界中で栽培できる。住友ゴムは米国で栽培したロシアタンポポの根から天然ゴム液を採取し、米新興企業と共同で、市販用と同等の性能を持つタイヤを開発した。都内で開催中の「ジャパンモビリティショー2025」で初公開した。

自動車用のタイヤは原料にパラゴムノキの樹液由来の天然ゴムを25%程度配合して生産することが多い。住友ゴムはロシアタンポポ由来の天然ゴムを原料の一部に使用した。ロシアタンポポ由来のタイヤは独コンチネンタルも研究を進めており、自動車用タイヤの開発実績がある。

現状ではパラゴムノキ由来と比べコスト競争力に大きな差があり、量産は難しい。住友ゴムは「ロシアタンポポの生産量が増加したり、加工技術が進化したりすれば、将来はパラゴムノキよりもコストが安くなる可能性がある」とみる。

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