欧州中央銀行(ECB)=独西部フランクフルトで2017年10月27日午前、三沢耕平撮影

 欧州中央銀行(ECB)は30日、独自のデジタル通貨「デジタルユーロ」を早ければ2027年に試験運用し、29年にも発行する方針を発表した。実現すれば、日米欧の主要中銀で初めてのデジタル通貨となる。

 デジタル通貨は、仮想通貨(暗号資産)と違い、中銀が発行する。ECBは23年11月から進めてきた技術面などの検討が終了したとして「欧州の通貨主権と経済安全保障を保護する」と主張している。ラガルド総裁も「ユーロを未来にふさわしいものにするため、近代化に取り組んでいる」との声明を出した。

 ただし、欧州連合(EU)で関連する法整備が順調に進むことなどが条件だ。ロイター通信によると、法整備は難航も予想される。

 日常の決済に使えるデジタル通貨はナイジェリアやジャマイカでは発行済み。日本政府・日銀も「デジタル円」を研究中だ。米国ではトランプ米政権が発足してから米ドルに連動して価格が変動する「ステーブルコイン」の開発が活発化している。【ブリュッセル岡大介】

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