
大和証券グループ本社が4日に発表した2025年4〜9月期の連結決算は純利益が前年同期比2%増の789億円だった。預かり資産に応じて受け取る安定収益が過去最高となり業績をけん引した。人材確保など先行投資がかさんでいた投資銀行部門も、黒字に転換し、経常利益は半期としては13年4〜9月期以来の高い利益水準となった。
売上高にあたる純営業収益6%増の3278億円だった。あおぞら銀行に出資したことで発生した負ののれんによる利益の反動で経常利益は11%減の979億円となったものの、本業が堅調に推移し最終増益を確保した。
堅調な株式相場を捉え、個人営業などを含むウェルスマネジメント部門が好調で、部門利益は35%増の493億円だった。大和ネクスト銀行を除いたベースでは過去10年で最高の水準だった。預かり資産が得られる安定収益は574億円と半期で最高となり業績を支えた。
吉田光太郎・最高財務責任者(CFO)は「資産導入、預かり資産から得られるベース収益、売買で得られるフロー収益の3つとも好調で、上げ相場の中で達成できたのは良かった」と話した。アセットマネジメント部門は、一部投資案件の減損が響き25%減の268億円だった。
投資銀行部門は、69億円の経常黒字(前年同期は9億4600万円の赤字)となり回復した。海外部門強化のために人員採用のコストがかさんでいたが、大型案件を獲得したことで増収となり採算が改善した。国内企業のM&A(合併・買収)ニーズの高まりで、国内のM&A(合併・買収)関連収益は7〜9月期に151億円となり過去最高だった。
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