日野自動車(東京都日野市)

日野自動車は4日、2026年3月期の最終損益が400億円(前期は2177億円の赤字)の黒字になる見通しだと発表した。従来予想から200億円上方修正した。販売台数は減少するが、国内を中心に車両価格の引き上げを進めたことが寄与する。為替の円安も利益水準を押し上げる。

売上高は前期比12%減の1兆5000億円と従来予想を据え置いた。世界販売台数は14%減の10万8000台と、従来予想から7000台引き下げた。認証不正問題による開発遅れの影響で、排ガス規制などに対応した小型トラックの切り替えが遅れていることなどを反映した。

国内を中心とした価格転嫁や経費の見直しが進み、営業利益を押し上げる。11月1日に発動した米国のトラックの追加関税の影響について、中野靖・最高財務責任者(CFO)は「精査中だが、価格転嫁で対応する」とした。

同日発表した25年4〜9月期の連結決算は売上高が前年同期比12%減の7428億円、最終損益は225億円の黒字(前年同期は2195億円の赤字)だった。世界販売は14%減の5万3000台だった。

同日、独ダイムラートラックのインド法人社長のサティヤカーム・アーリャ氏(52)が26年4月1日付で日野自の社長に就くと発表した。

日野自動車の社長に就任するサティヤカーム・アーリャ氏

同社は26年4月に三菱ふそうトラック・バスと経営統合し、新会社「アーチオン」の完全子会社になる。日野自の小木曽聡社長は「商用車の経験がグローバルにあることに期待したい」と話した。

小木曽社長は新会社の最高技術責任者(CTO)に就き、次世代技術への対応や車両の共同開発に集中する。三菱ふそうの社長には26年4月1日付でダイムラー出身のフランツィスカ・クスマノ氏が就く。

サティヤカーム・アーリャ 95年(平7年)スズキインド法人入社、ダイムラー・トラックス・アジアなどを経て18年11月から現職。52歳。

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