
ヤマト運輸は5日、宅急便に当日中に届けられるサービスを始めると発表した。追加料金を支払えば、午前中に営業所に持ち込めば最短で午後2時以降に近隣の都道府県まで届く。あわせて、個人客向けの同一都道府県内の運賃を最大780円引き下げることも発表した。単価の高い個人客による利用を増やし、宅急便の収益性を高める。
当日配送は10日から始める。希望する場合はヤマト運輸の営業所に荷物を持ち込む必要がある。通常の宅急便料金に加えて550円かかり、沖縄県内で当日配送する場合の追加料金は330円とした。冷蔵や冷凍にも対応した営業所もあり、取れたての野菜や水産物などの輸送を想定する。
締め切り時間や当日中に配送可能な届け先は営業所によって異なる。東京都千代田区にある営業所の場合、平日午前10時半までに持ち込めば茨城県全域を含む関東各地が当日配送の対象となる。個人客と法人客いずれも利用できる。
同一都道府県内に送るための運賃は10日から引き下げる。個人客のみが対象で、1個あたり120〜780円の値下げとなる。縦と横、高さの3辺の合計で60センチメートルの荷物の場合、現在の940円から790円となる。
現在地方別に設定している宅急便の運賃を細分化することになる。例えば東京都内から荷物を送る場合、従来は送り先が群馬県でも東京都でも関東地方なら同じ運賃だった。今後は同一都道府県に送る際は別の運賃となる。沖縄県は対象としない。
宅急便は個人客の方が法人客よりも単価が高い。ヤマト運輸は、同一都道府県内で個人客を値下げしても、荷物量が増えれば宅急便事業全体の収益性は向上するとみる。
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