ホンダが北米で販売する大型SUV「パスポート」

ホンダは6日、北米で大型の多目的スポーツ車(SUV)のハイブリッド車(HV)を投入すると発表した。2029年までに販売する。燃費性能をガソリン車と比べ30%高める。北米はトランプ米政権のEV政策の修正により、伸びが鈍化している。人気の大型SUVでHVをそろえ、需要を取り込む。

全長5メートル級の大型SUVのHVはホンダでは初めて。大型車はホンダの北米販売の3割を占める主要車種で、北米で販売を伸ばすためにはHV展開が必要だと判断した。

北米では大型SUVとして「パイロット」などを販売している。今後、どの車種でHV展開するかを詰める。

北米では主力の中型SUV「CR-V」でHVモデルがあった。消費者は大型SUVに対し燃費性能よりもけん引力の強さなどの観点から選ぶ傾向にあった。

ただ、物価高で家計の負担が増しており、燃費性能を重視する流れが強まっている。トヨタ自動車や韓国・現代自動車など大手も北米で大型車のHVモデルを増やしている。ホンダは力強さと高い燃費性能を備えた新たなSUVを開発して対抗する。

ホンダの次世代のハイブリッドシステム

ホンダは加速時に力強さを引き出す独自技術に強みがある。アクセル全開時の加速性能を10%高め、重い荷物を運んでいてもスムーズな発進ができるようにする。

エンジンは高出力の直列6気筒エンジンを新開発する。HVの燃費性能を30%高め、走行時の二酸化炭素(CO2)排出量を減らす。

スポーツ走行の乗り味も楽しめるようにする。HVは機械的な変速機構を持たない。疑似的に有段ギアを変速したような感覚を味わえる機能を取り入れる。

EVをけん引してきた欧米市場での需要減速を受けて、ホンダはEV重視の戦略を見直した。HVの販売台数を30年度に25年度計画比2.2倍の220万台に増やす計画。

ホンダは40年までに全てEVや燃料電池車にする「脱エンジン」の目標は変えていない。EVの普及期までHVで収益を確保する狙いがある。

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