JR長岡駅に設置された顔認証改札機=新潟県長岡市で2025年11月5日午前10時7分、神崎修一撮影
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 JR東日本は5日、上越新幹線の新潟駅と長岡駅に設置した顔認証技術を用いた改札機を報道関係者に公開した。この改札機は事前に顔写真を登録すれば、乗車券や交通系ICカードを持たずに「顔パス」で改札を通過できる。JR東日本が顔認証改札機を設置するのは今回が初めてで、6日から来年3月末までの約5カ月間、両駅で実証実験し、顔認証の技術が正しく作動するかなどを確認する。

 新潟駅には、既存の新幹線改札機に顔認証改札機をかぶせるような形で設置。長岡駅には、未来を感じさせる屋根のついたアーチ型の顔認証新幹線改札機を新たに設けた。両駅で異なる機器を設置し、それぞれの性能を確認する。

 長岡駅で公開された実演では、事前登録を済ませた乗客役がアーチ内を歩いて通過すると、カメラが瞬時に乗客役の顔を認証。改札機の外側が緑色に光り、内部のディスプレーには新幹線が疾走する映像が流れ、乗客役はスムーズに改札内に入った。一方、登録していない乗客役が通過しようとすると外側が赤く光り、内部には「戻ってください」と警告が表示された。

 JR東日本新幹線統括本部の恩田義行ユニットリーダーは報道陣の取材に「長岡駅は利用客が『わくわく感』を感じられる作りに。新潟駅は日常生活になじむような形で、先進的技術を入れた」と説明した。「新幹線は大きな荷物を持っていたり、複数枚の切符を持っていたりする乗客が多い。そのため(切符などが不要な)顔認証改札は優位性が高いと考えている」と述べた。

 実証実験は新潟―長岡間の新幹線定期券を持ち、事前に顔写真を登録した乗客約500人を対象に実施する。【神崎修一】

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