
丸紅は10日、オーストラリアの鉱山会社RZリソーシズが進める鉱床の開発事業で、3.375%の権益を1500万豪ドル(約15億円)で取得する契約を結んだと発表した。同鉱床ではレアメタル(希少金属)やレアアース(希土類)を含む鉱物の採掘が期待できるという。丸紅がレアメタルやレアアースの開発事業に乗り出すのは初めて。
鉱床は豪州南東部に位置し、RZリソーシズが2017年から開発調査を進めている。ルチルやジルコン、モナザイトといったレアメタルやレアアースを含む複数の鉱物が集積している。丸紅は事業性や環境への影響を評価した後、権益を取得するか最終判断する。採掘開始は数年後になるとみられる。
丸紅は権益を最大5%まで広げられる契約も結んだ。調査の結果を踏まえ、追加拠出も検討する。丸紅は「地政学的にも安定した豪州に位置し、日本の経済安全保障強化に重要な役割を果たす」とする。重要鉱物の安定確保につなげ、日本企業を中心に永久磁石や航空機部品を扱う企業に素材を売り込む。
同鉱床については6月、JX金属も権益の5%を取得する契約を結んだと発表していた。2000万豪ドルを拠出する予定で、同社が注力する半導体事業で活用する。
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