
JFEスチールや神戸製鋼所は11日、二酸化炭素(CO2)の排出量を低減したとみなす低炭素な高炉鋼材がトヨタ自動車に採用されたと発表した。既に納入を始めており、量産車などでの使用を見込む。自動車の製造時のCO2削減に貢献し、低炭素鋼材の普及を目指す。
低炭素鋼材は製造過程のCO2の削減分を特定の鋼材に割り当て、CO2排出を削減したとみなす「マスバランス方式」を採用する。
JFEスチールの低炭素鋼材は国内の主要車種向けに2025年度上期から供給を始めた。これまでも船舶や産業機械、いすゞ自動車の量産車などに採用されてきた。トヨタからの受注も追い風に、同社は30年度までに低炭素鋼材の供給能力を年300万トンまで拡大する計画を掲げる。
神戸製鋼は天然ガスで還元した還元鉄を原料として利用しながらマスバランス方式でCO2を100%削減した。トヨタの量産車向けに10月ごろから納入を始めた。同社の鋼材はトヨタの「水素エンジンカローラ」など競技車両向けで採用実績がある。
低炭素鋼材は通常の鋼材と品質は同じだが価格が高く、普及はこれからだ。鉄鋼大手は自動車などさまざまな産業で需要を掘り起こし、採用拡大を目指す。
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