ルネサスが開発した「RRG5006x」

ルネサスエレクトロニクスは12日、人工知能(AI)用サーバーに搭載するメモリー向けの半導体を開発したと発表した。CPU(中央演算処理装置)や画像処理半導体(GPU)がメモリーにデータを書き込む際の速度を従来品より10%改善した。AIの処理能力を高めることができ、このほど韓国サムスン電子にサンプル出荷を始めた。

開発した半導体「RRG5006x」はレジスタードクロックドライバー(RCD)と呼ばれる。データを一時保存するDRAMを複数搭載した複合部品「DDR5」に内蔵され、CPUなどが計算したデータを効率良くメモリーに保存する橋渡し役を担う。1秒間に96億回、データを転送できる。

生成AIの普及でデータの容量が増えている。演算用半導体の計算処理能力だけを高めても、メモリーにデータを保存するのが遅ければ全体の処理能力が伸び悩んでしまう。ルネサスはDRAMメーカーと歩調を合わせてRCDの開発を進めており、今回の製品は2027年前半に量産を始める。

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BUSINESS DAILY by NIKKEI

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