
米バイオジェンの日本法人は12日、全身の筋肉が徐々に衰えていく神経筋疾患「脊髄性筋萎縮症(SMA)」の治療薬「スピンラザ」の高用量製剤を発売した。同日薬価収載された。既存の12ミリグラムの製剤に加え、新たに28ミリグラム、50ミリグラムが治療に使えるようになる。
SMAは特定の遺伝子の異常によって、筋肉を動かすために必要なたんぱく質を十分に生成できず、筋肉の萎縮や筋力の低下を引き起こす病気だ。主に乳児期から小児期に発症する。
スピンラザは2017年に日本で承認された。核酸医薬と呼ばれる種類の薬で、メッセンジャーRNA(mRNA)に働きかけて不足しているたんぱく質を作り出す。全世界で1万4000人以上の患者がスピンラザの治療を受けている。
もともと12ミリグラムの製剤しかなかったが、より高用量での治療を希望する患者にとって新たな選択肢となる。米国や欧州でも高用量製剤を承認申請中で、日本が世界初の発売となった。
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