
米投資ファンドのタイヨウ・パシフィック・パートナーズが運営する投資ファンドは12日、自動旋盤のスター精密に対してTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。約700億円を投じて、完全子会社化を目指す。スター精密はTOBに賛同し、株主に応募を推奨すると表明した。
タイヨウが出資する特別目的会社(SPC)の「ソルスティシア」がTOBを実施する。TOBの期間は13日から12月25日までで、約3118万株の買い付けを予定する。買い付け価格は1株2210円。6カ月平均の株価に対して30%のプレミアムとなる。
スター精密は4月にタイヨウ系と資本業務提携すると発表した。タイヨウが第三者割当増資により約250億円で株式を取得し、現在、議決権の約36%を保有する。スター精密は調達資金を国内工場の増強や医療関連のM&A(合併・買収)に充てるとしている。
今回のTOBが成立すれば、スター精密は上場廃止となる見通し。「タイヨウとの資本業務提携を経て新たな抜本的な経営改革が必要不可欠と判明した」としており、非上場化を機に機動的な経営への転換を目指す。
スター精密の足元の業績は低迷している。高価格機種の欧米向けの販売が伸び悩み、2024年12月期の連結売上高は前の期比17%減の649億円、純利益は77%減の18億円だった。
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