SCSKとキンドリルジャパン(東京・港)は14日、大型コンピューター「メインフレーム」を国産から米IBM製に移行するための支援サービスを2026年春に始めると発表した。既存のメインフレーム向けの業務アプリを専用ツールでIBM向けに自動変換する。

国産メインフレームは富士通が撤退を決めるなど今後の維持が難しくなる。IBM製に切り替えてもメインフレームを使い続けたい企業の需要を取り込む。

メインフレームは金融機関や大企業、官公庁などが基幹業務で使っている大型のコンピューターだ。メーカー独自のハードや基本ソフト(OS)を採用している。ソフトの互換性が低く、既存の業務アプリを別のメーカーのメインフレーム上で動かすのは難しい。

新サービスでは、業務アプリを解析してIBM製のメインフレームで動くよう自動変換ツールを提供する。トランスウェア(東京・港)が販売するプログラミング言語の変換ツールをもとに開発した。IT(情報技術)エンジニアが手作業で解析して変換するケースに比べて作業工数を2〜3割ほど短縮することを目指す。

メインフレームを巡っては国産メーカーの供給縮小が課題になっている。主要メーカーの一角だった日立製作所はメインフレームのハードウエア開発から撤退し、IBMから供給を受ける形に切り替えた。富士通も30年度にメインフレームの製造・販売から撤退し、35年度に保守も終了させる方針だ。

メインフレームは企業の情報化が始まった1970〜80年代に導入が進んだ。データをサーバーやクラウドで処理する動きが広がり需要ピークは過ぎたものの、システムの堅牢(けんろう)性を求めて使用を続ける企業は一定数残っている。

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