Jパワーの子会社であるJ-POWERハイテックは、地熱発電の調査や運転に必要となる坑井向けの大口径掘削リグを新たに導入したと発表した。最新式の大口径掘削リグを保有し、地熱坑井掘削の知見を持つ長内水源工業（岩手県滝沢市）と協業して安定的な掘削体制を構築する。
導入したのは中国の宏華集団製のリグで、深度2500メートル級の掘削能力を持つ。全高は地上54メートルで、ウインチ1000HP（馬力）、掘削装置500トン、泥水ポンプ800HP×3台の出力を備える。
地熱発電の調査・建設・運転開始後の安定稼働には地熱坑井の掘削が必要だが、地熱坑井の掘削には大口径掘削リグが必要であり、保有している掘削会社は国内では10社程度に限られている。国内の地熱開発件数の増加などで掘削需給が逼迫しており、地熱発電の開発の制約や遅滞の一因となっているという。
この課題解決のため、J-POWERハイテックは自社で保有することにした。これによりJパワーグループの地熱発電事業の新規開発と既設地点の運転で、地熱坑井掘削の安定的なサプライチェーンを確保する。また、将来はグループ外地点での掘削にも対応し、日本の地熱発電の開発促進と安定稼働への貢献を目指す。
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