大規模農家らでつくる「日本農業法人協会」の斎藤一志会長は14日、政府が総合経済対策で検討している「おこめ券」の配布について、反対の立場を表明した。配布コストに多額の費用がかかるなど、公費の使い道として疑問を呈し、物価高対策としては「減税とか、現金給付の方が(公費の無駄が少なく)交付効率がいい」と主張した。
農林水産省で鈴木憲和農相と会談した後、記者団の取材に答えた。政府は総合経済対策で自治体向けの「重点支援地方交付金」を拡充し、自治体によるおこめ券の配布を後押しする方向で調整している。
斎藤氏は反対の理由について、政府でなく自治体が配布に要する膨大な事務作業を担うとして、「ものすごく(自治体には)大変なこと」と強調。配布コストに多額の公費を費やすことについて、新型コロナウイルス禍に政府が実施した経済対策でも同様に配布コストが高くついた前例も説明し、「民間ならやらない」と指摘した。
またおこめ券の配布を持論に掲げている鈴木氏に対し、会談で反対の立場を直接伝えたかどうか問われ、斎藤氏は「(反論されて)堂々巡りになる」と自粛したことを説明。そもそもおこめ券を使う人が少ないのが現状だとして、「一般的に使われないワード(おこめ券)が出てきたので、たぶん(高市政権の対応に)皆さんびっくりしている」と率直な感想も語った。【中津川甫】
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