
人気ゲーム「フォートナイト」の米エピックゲームズは14日、スマートフォン向けの自社アプリストアを日本で2026年1月にも展開すると発表した。アプリ事業者からの決済手数料を低く設定してアプリ事業者を呼び込む。有力な第三者のアプリストアとして、米アップルや米グーグルによる寡占状態に一石を投じる可能性がある。
エピックのティム・スウィーニー最高経営責任者(CEO)が同日、都内での開発者向けイベント「Unreal Fest(アンリアルフェス)」で明かした。自社アプリストア「エピック・ゲームズ・ストア」を日本のスマホ利用者も使えるようにする。
同社が日本で事業展開するのは、「スマホソフトウェア競争促進法(スマホ新法)」が12月に施行されるためだ。同法はアップルやグーグルなどが競合のアプリストアを排除するのを禁じる。iPhoneの利用者もエピックのような第三者アプリストアからアプリをダウンロードできるようになる。

エピックは米国や欧州などで同様のアプリストアを展開している。現時点で累計5300万回ダウンロードされている。
エピックのアプリストアで課金した場合、アプリ事業者がエピックに支払う決済手数料は課金額の12%だ。アップルやグーグルは最大30%の手数料を徴収してきた。
エピックはこれまでアップルやグーグルの高額手数料を批判し続けてきた。20年にはアプリストアの強制的な手数料徴収は独占禁止法に違反するとしてアップルとグーグルをそれぞれ提訴した。
エピックはグーグルとは和解することで合意した。グーグルは手数料の引き下げなどに取り組むとし、スウィーニー氏はグーグルとの和解案について「大きな改善につながった」と話す。
その一方で、アップルとは対立が続く。エピックの訴訟を受けてアップルは一時、外部決済を容認する姿勢を示した。ただ新たな手数料を課したことで両社は再び対立を深めた。米連邦地方裁判所は4月にアップルに外部決済の手数料について禁止命令を出した。
スウィーニー氏はアップルについて「引き続きアプリ事業者などと対立が続いており、(スマホ新法などの)法律に誠実に対応してほしい」と求めた。
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