柏崎刈羽原発6号機原子炉建屋内で行われた外部電源を確保する訓練を視察する新潟県の花角英世知事(右)=新潟県で14日午前11時55分(代表撮影)

 新潟県の花角英世知事は14日、東京電力柏崎刈羽原発を訪れ、初当選後の2018年9月以来、7年ぶりに視察した。同原発では再稼働に必要な地元同意が焦点となっている。「結論を出す前」に求めていた視察を終え、月内にも判断を示すとの見方が広がっている。花角氏は視察後の評価を報道陣に問われ「そんなに簡単なものではない。私自身の目で拝見し肌で感じる中で判断していこうと思う」と述べるにとどめた。

 視察では先に、同原発を含む沸騰水型軽水炉(BWR)の運転員を訓練する国内唯一の施設「BWR運転訓練センター」で、シミュレーターを用いた訓練に立ち会った。

 訓練は、中越沖で震度6強の地震が発生し、再稼働が想定される6号機で原子炉への注水機能が喪失する恐れが生じたと想定。代替ポンプにより炉内の水位が改善するまでを確認した。その後、6号機建屋内で外部電源を確保するための電源ケーブル敷設訓練に立ち会った。

 視察には終始、東電の小早川智明社長や同原発の稲垣武之所長らが随伴し、質問に答えるなどした。

 花角氏は報道陣に、7年前の視察時よりも「少なくともセキュリティーは格段に厳しくなった」と話した。18日には福島第1原発も視察する予定。

 また、花角氏は視察後、原発から5~30キロ圏の7市町長らと非公開で会談。終了後、取材に応じた長岡市の磯田達伸市長は「県民や市民の(再稼働への)理解が広がるには、もう少し時間がかかるし、時間をかけるべきだと申し上げた」と述べた。立地する柏崎市と刈羽村の両首長は再稼働を容認する立場。【木下訓明、内藤陽】

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