個性的な本が並び、陳列も工夫された「ブックパーククラブ」=広島市中区で2025年11月14日午前11時48分、宇城昇撮影

 全国の小規模な出版社や独立系書店が扱う本を販売するユニークな形態の書店「BOOK PARK CLUB(ブックパーククラブ)」が14日、広島パルコ(広島市中区)新館9階にオープンした。老舗書店の閉店が相次ぐ広島の繁華街に復活した書店は、個性的な本や陳列にこだわり、出店者が定期的に入れ替わることで新しい出合いをつくる。

 「本のある場をつくりたい」という趣旨で2022年秋に同名の企画が広島パルコで始まり、毎年17日間限定で3年間続けた。パルコ側からの提案もあり、企画を発展させる形で常設型の店舗とした。読書愛好家らでつくる実行委員会が主催し、まずは1年間の開設を予定している。

 独自に発想した企画参加型の運営手法を取る。希少な本を出している小規模な出版社が半年で入れ替わり、最初は21社の本が並ぶ。装丁にこだわった本に目を留めてもらえるよう、表紙を見せる陳列方法に工夫した。

遊び心がある陳列棚に個性的な本が並ぶ「ブックパーククラブ」=広島市中区で2025年11月14日午前11時6分、宇城昇撮影

 独創的なスタイルで人気を集める独立系書店のコーナーは2カ月ごとの入れ替えで、初回は広島や福岡、岡山などの5店が参加。それぞれが選んだ新刊・古書が並び、書店ごとの個性がうかがえる。

 「100人選書」は書店や出版関係者ら100人が選んだ「推しの1冊」を紹介するコーナーで、「後味として、じんわり残る本」がテーマ。出版社を通さない自主的な出版物を並べた棚もある。

 実行委のメンバーは昨年まで開催したイベントで書店や出版社、読書ファンらとのつながりができ、「一緒に本屋をつくる楽しみ」に手応えを感じたという。今回の準備では「自分たちが行きたい本屋」を意識した。

 本の著者を招いたトークイベントなども開催し、本を通じて人が出会える場所づくりを目指す。実行委員でライターのイソナガアキコさんは「期間限定のイベントでなく常設店なので、興味を持ち続けてもらえるかが大切。新しい挑戦にワクワクしています」と話している。【宇城昇】

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