日本女子大は17日、1901年の創立以来続いてきた家政学部の学科を2028年までに全て学部化すると発表した。1世紀以上にわたり、生活の質の向上を追究する学びを提供してきた日本女子大の看板学部の名称が消えることになる。
家政学部は日本女子大学校として開学した同大の創立と同時に開設され、これまで約4万人の卒業生を送り出してきた。しかし、時代の移り変わりとともに家政学の専門性が分かりにくくなったため、各学科を学部として独立させることにした。
大学によると、現在学生が在籍する家政学部の学科は、児童▽食物▽住居▽被服▽家政経済――の五つ。まず住居学科が24年に建築デザイン学部に、次に食物学科が25年に食科学部にそれぞれ独立した。
まだ学生を募集している3学科のうち、家政経済学科は27年に経済学部に、児童学科は28年に人間科学部へ改組する予定。被服学科のみ残されていたが、28年にファッションデザイン学部に生まれ変わることになった。
篠原聡子学長は記者会見で、女性が社会で活躍する分野が広がる中で、キャリア形成に直結する実学や理系分野など専門性の高い学びを求める受験生が増加していると指摘。再編の狙いについて「家政学部ではそれぞれの専門性が見えにくかったが(再編により)外から見えやすくなると思う」と話した。
女子大を巡っては、武庫川女子大の安東由則教授によるまとめを基にした毎日新聞の集計で、25年の女子大の数はピーク時の98年から3割減り、そのうち7割は定員割れの状態にあることが判明。共学化や募集停止が相次いでいる。【木原真希】
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