
大塚ホールディングス傘下の大塚化学(大阪市)は18日、クラレが独自開発した高機能ポリマー「クラリティ」に関して、知的財産権の一部を譲り受ける契約を結んだと発表した。大塚化学が保有する技術と組み合わせ、半導体やエレクトロニクス、医療といった分野で提案する。2027年には徳島県で新工場を稼働し生産能力を拡大する。
クラリティは幅広い形態をとれる透明なアクリル素材で、改質剤や添加剤などに使われている。クラレは25年2月にクラリティの生産を26年6月までに終了すると公表していた。大塚化学から製造に関する知的財産権を譲渡するよう要望を受けたという。
契約に基づき、大塚化学はクラレから製造技術を獲得するほか、技術導入に向けた支援を受ける。研究室から商業生産の規模にスケールアップして製造するための技術指導も含まれる。
大塚化学はこれまで独自のポリマー製品「TERPLUS」を展開してきた。今後はインクジェット印刷におけるインクの分散剤やバイオ医薬品の原薬製造などでも引き合いが高まると見込む。
需要拡大に備えて大塚化学は同日、徳島県に新工場を建設することも発表した。投資額や生産量は非公表としている。新工場ではまず既存のTERPLUSシリーズを生産し、将来的にはクラリティに代替する製品の製造も検討する。
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