解雇をめぐるトラブルを金銭で解決する「解雇の金銭解決制度」について、厚生労働省は18日、経済学者や法学者らによる有識者検討会を設け、導入する場合の課題を議論する方針を決めた。

 同日開かれた労働政策審議会で厚労省幹部が明らかにした。

 解雇の金銭解決制度は、会社が労働者をやめさせたときに起きる争いを解決するアイデア。裁判で解雇が無効とされても、実際に職場復帰ができないケースなどで、労働者からの申し立てを受けて、一定額を会社に支払わせることで紛争を解決するというものだ。日本では導入されていない。経済界のほか昨年の自民党総裁選では河野太郎元デジタル相が制度導入を訴えた。

 厚労省がこの日、労働審判などトラブルを解決する制度の利用状況に関する働き手への調査結果を審議会に示し、事例ごとの解決金のばらつきの大きさなどが明らかになった。この日の審議会では、経営側から「(解決金水準などの)予見可能性を高め、安易な解雇が減る」などと制度創設を求める声が相次いだ一方、労働側は「結果として不当な解雇を正当化しかねず、安易な解雇を促進しかねない」と反発。導入の課題を議論する場として有識者検討会の設置が決まった。

 有識者検討会では制度を導入した場合の、解決金の水準や計算方法について議論する見通しだ。

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