
山形県発祥のカタログギフト大手リンベル(東京・中央)は、郷土菓子「ふうき豆」を高品質な地産商材を集めたブランド「山形の極み」から発売した。同社がふうき豆を扱うのは初めて。ブランド開始10年の節目に「山形のおいしいものをギフトとして発信する」(半田周平執行役員)との原点に立ち返り、主に県外の需要をつかむ。
ふうき豆は明治時代に誕生したと伝わる。薄皮を取った青エンドウ豆を炊き、砂糖や塩で味を調える。豆の食感を楽しめ、看板商品とする和菓子店も山形市中心部に複数ある。半面、大きな箱入りで売られることが多く、一度に食べきれないこともある。

リンベルが組んだ十一屋(山形市)は約30年前にふうき豆に参入した「後発組」(松倉望・十一屋専務)だが、個別包装の食べきりサイズを扱ってきた。その特徴を生かしつつ、保存料や着色料、香料を使わないリンベル向けレシピで製造する。6カップ入り(3240円)など3タイプをそろえる。
パッケージデザインは緑色の豆をあしらい、「ふ」の文字も生かした。山形の極みシリーズのデザインを一貫して手がけてきた東北芸術工科大学の中山ダイスケ学長は「最近で一番うまく仕上がった」と話す。

山形の極みは山形県産果汁100%の無添加ジュースの価値を広く伝えようと2015年にスタート。全国の地産品を扱う「日本の極み」も17年に始めた。開発した商品の点数は合計で2000を超え、極みシリーズの売上高は25年2月期で71億円とリンベル全体(948億円)の1割弱を占めるまでになった。
東海林和幸副会長は「農畜産物や海産物、スイーツのレベルが高い山形は食の宝庫だ。恵まれた環境を生かし、大きなブランドを育てられた」と振り返っている。
【関連記事】
- ・山形発祥のリンベル、山形市にハブオフィス
- ・カタログギフトのリンベル、山形県産などのブドウ品評会
- ・カタログギフトのリンベル、山形市のEC物流棟を稼働
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。