
ファーマフーズと信州大学は20日、卵の殻の内側にある卵殻膜を原料とするナノファイバー状の電極材料を開発したと発表した。大きな電力を瞬時に蓄えたり放出したりできる蓄電装置「スーパーキャパシター」の電極に使う。2028年度に電気自動車(EV)向けで実用化を目指す。
卵殻膜を研究するファーマフーズと、ナノファイバーが専門の金翼水卓越教授らの研究チームが開発した。加水分解で液体に溶かした卵殻膜を、シート状に加工して燃やすと、電池性能の向上に欠かせない窒素、硫黄、酸素などを含んだナノファイバーができる。
充放電を1万回繰り返しても90%ほどの蓄電容量を維持できる。従来の電極のように高価な貴金属を添加する必要もないといい、コスト低減にもつながる。電池メーカーなどにサンプル提供するなど協業先も広げる方針だ。
ファーマフーズは卵殻から卵殻膜だけを集めて、サプリメントや衣料向けの繊維を販売している。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成金を受けて、卵殻膜を使った農業用資材や繊維素材も開発している。
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