建設機械をモニターで監視しながら遠隔操作する実証実験の様子(東京都千代田区)

インターネットイニシアティブ(IIJ)などは21日、ショベルカーの遠隔操作に米スペースXが提供する衛星通信網「スターリンク」を活用する実証実験を都内で行った。衛星通信で、遠隔操作に欠かせない高画質の映像を少ない遅れで送信し、通信環境の乏しい山間部や離島でも建機の遠隔操作を可能にする。2026年度にサービスとして商用化を目指す。

実験では、IIJの完全子会社IIJエンジニアリング(東京・千代田)や産業用通信機器メーカーのハイテクインター(東京・渋谷)などが参加した。東京都千代田区のオフィスから、約60キロ離れた茨城県つくば市のショベルカーを操縦した。ショベルカーに設置したカメラから映像を東京のオフィスのモニターに送り、映像の品質が保てることを確かめた。

今回の遠隔操作では現地のショベルカーからオフィスまでを、スターリンクと光回線を結びつけたネットワークでつないだ。同じ構成のネットワークを2つ用意することで、どちらかの回線に支障が出ても通信が安定するようにした。映像送信は建設機械の遠隔操縦がスムーズに行われる速さを満たし、遅延は基準の3分の1程度に抑えられた。

建設業界では人手不足が課題になっている。建機の遠隔操作が普及することで、省人化や生産性の向上につながることが期待されている。高温下や寒冷地など過酷な現場でも、操作者に負担がかかりにくくなる。

BUSINESS DAILY by NIKKEI

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