記者会見する生命保険協会の高田幸徳会長(21日、東京都千代田区)

生命保険協会の高田幸徳会長(住友生命保険社長)は21日の記者会見で、生保から銀行などへの出向者による不適切な情報持ち出しについて「個社ごとの事情があるので、協会による一斉調査は難しい」と述べた。大規模な個人情報漏洩や法令違反につながれば、協会としての調査を実施する可能性を示唆した。

出向者が持ち出した情報が営業秘密に該当すれば、不正競争防止法に抵触する懸念がある。高田会長は「法令違反につながるなら(協会としての調査を)考える必要もあるかもしれない」と発言した。「各社で必要な対応が進められると考えており、代理店との適切な関係構築に向けて業界全体のレベルアップについて後押ししたい」と話した。

出向者による情報持ち出しを巡り、日本生命保険と傘下のニッセイ・ウェルス生命保険は18日に1500件超の漏洩があったと発表した。第一生命保険、明治安田生命保険、住友生命保険の大手3社も調査に乗り出している。高田会長は9月の記者会見でも協会としての調査は実施しないと言及していた。

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