
日本百貨店協会(東京・中央)が25日に発表した10月の全国百貨店売上高(既存店ベース)は前年同月比4.3%増の4668億円で、3カ月連続のプラスだった。免税売上高は7.5%増の546億円と2月以来8カ月ぶりの増収に転じた。10月としては過去最高だった。中国の国慶節(建国記念日)休暇による客数増や為替の円安基調が追い風になった。
免税購買客数も8.9%多い56万4000人と、10月としては最高になった。高級ブランドを含む一般物品売上高は5.5%増、化粧品などの消耗品売上高は19.1%増えた。一方、1人当たりの購買単価は1.2%減った。協会の西阪義晴専務理事は「国慶節や円安効果に加え、サービスや品ぞろえなど各社の取り組みが功を奏した」とみる。

国内売上高は3.9%増え、3カ月連続でプラスを確保した。10月下旬以降の気温低下に伴い、秋冬物の衣料品が売れた。外商顧客による高額消費も旺盛だった。
売上高全体を商品別で見ると、高級ブランドのバッグや靴など身のまわり品(2.3%増)が9カ月ぶりの増収だった。雑貨(10.6%増)では美術・宝飾類が16.2%増とけん引した。地域別では東京23区や大阪市など主要10都市が5.5%増えた。神戸(9.6%増)や大阪(8.3%増)の伸びが目立った。それ以外の地区も0.1%増だった。
11月1〜18日の主要百貨店は2.3%増収だが、足元では高市早苗首相の台湾有事を巡る発言を受けた中国政府による日本への渡航自粛要請の影響も懸念される。西阪専務理事は「大手各社では海外顧客と1対1でつながる取り組みがみられる。こうした施策が奏功すると見るが、(影響は)注視していきたい」と述べた。
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