コスモエネルギーホールディングス（HD）傘下のコスモ石油マーケティングは、福島県会津エリアで創出した農業由来のカーボンクレジットを活用し、現地のタンクローリー車から発生する二酸化炭素（CO2）のオフセット（相殺）を実施したと発表した。農業由来のクレジットを地産地消で燃料油のオフセットに用いるのは国内初という。
同社は、カーボンクレジット創出販売事業を展開するGreen Carbon（グリーンカーボン、東京・千代田）が運営する「稲作コンソーシアム」に参画し、会津エリアでの「中干しクレジット」の創出に関与した。
中干しクレジットは、水田での稲作で「中干し期間」を通常より延長することで、温暖化ガスであるメタンの排出量を削減し、その削減分を国が「クレジット」として認証する制度だ。日本の水田から排出されるメタンは、国内のメタン排出量の約4割を占める。メタンはCO2の約25倍の温室効果を持つため、中干し期間の延長は削減効果が大きいという。
このクレジットを活用し、コスモ石油マーケティングの特約店である北日本エネルギー（東京・中央）の会津直売課が所有するタンクローリー車から発生するCO2のオフセットを実施した。今回の実証により、同課の陸上運送部門が排出するCO2を実質で約100%削減できる見込みという。
中干しクレジットの取引金額の一部は創出に関わった地域農家に還元し、地域経済の活性化につなげる。カーボンオフセットと地域活性化を同時に促し、循環型の脱炭素社会実現を目指す。
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