
人工知能(AI)を活用したアニメ制作を手掛けるCreatorʼs X(クリエイターズエックス、東京・品川)は、第三者割当増資と融資で計19億円を調達した。調達資金はアニメ制作会社のM&A(合併・買収)やAI開発費に充てる。
第三者割当増資はベンチャーキャピタル(VC)のグローバル・ブレインと博報堂DYベンチャーズが引き受けた。併せてみずほ銀行や三菱UFJ銀行などから借り入れもした。増資と融資の内訳は非公表。今回の調達は事業開発段階の「シリーズA」にあたる。
クリエイターズエックスはU-NEXT HOLDINGSでロボティクスやAI事業を手掛けていた藤原俊輔氏と湯浅義朗氏が2024年に共同で立ち上げた。藤原共同最高経営責任者(Co-CEO)は「業務負担の大きいアニメクリエーターの働き方を改善するためにAIを補助的に活用したい」と創業の目的を語る。
AIの活用は現場クリエーターの需要に合わせて進める。同社は同業のM&Aを重ねて拡大する「ロールアップ戦略」を進めており、24年に制作会社を買収し、背景美術を手掛ける制作スタジオを社内に新設した。25年にはテレビアニメ「ババンババンバンバンパイア」などを手掛ける制作会社も買収した。3社で週に2回、AI活用の会議を開き、まずは背景美術で活用している。
調達した資金はさらなるM&Aや買収した会社の経営や人事管理体制強化にも充てる。現在の売り上げは8億円規模で社員数は約70人。アニメーターを中心に人員を増やして26年中に100人体制とする。
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