新型減速機の模型を手にする金岡博士氏(滋賀県草津市)

ロボットスタートアップの人機一体(滋賀県草津市)は、モーターの力を効率よく本体に伝える新型の減速機を開発した。家庭の掃除向けから産業用まで幅広いロボットに対応。これまでの一般的な減速機に比べて部品を少なめにしており、軽量でコストも低減できる。3〜6日に東京ビッグサイト(東京・江東)で開く国際ロボット展で発表する。

人機一体の金岡博士(はかせ)社長によると、開発した「人機連星減速機(人機BSD)」の理論的なパワー伝達効率は90%台後半と従来型よりもおおむね高くなる。基本構造がシンプルで、搭載したロボットの故障を減らすことができる。社外の過去の関連研究を参考に開発を進め、10月に国内で特許申請をすませた。

人機一体はメーカーでなく、ロボット開発を巡る知的財産などで収益を得るビジネスモデルで、量産や実装を担うパートナー企業を募っている。作業員がリアルタイムで操縦し身体リスクの高いインフラ関連の仕事をこなすロボットの開発で実績がある。日本信号、JR西日本と共同開発したヒト型ロボット重機は鉄道保守の現場に投入ずみだ。

世界のロボット開発は人工知能(AI)が制御するフィジカルAIが主流になりつつあるが、金岡氏は「AIは作業する人間のバディ(相棒)であるべきだ」と強調する。人間である作業員によるロボット操作にこだわり、能力を最大化するための拡張身体(ロボットのボディー)をよりスムーズに動かすため新型の減速機を作った。

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