花王は、汗本来の体温調節機能を生かしながら肌を快適に保つ「汗蒸散技術」を開発したと発表した。肌の上に汗となじみやすい膜を作ることで汗の蒸散速度を促進する。暑熱環境下でも汗を止めずに不快なベタつきを軽減し、肌を快適に保てるようになる。また過剰な発汗を防ぎ、汗本来の機能をサポートできる可能性もあるという。
同社のスキンケア研究所が開発した。ヒトの肌は疎水的なため、汗が滴状になりぬれ広がりにくい性質がある。新技術を応用した製剤を塗布することで、肌の上に汗となじみやすい膜を作る。これにより出てきた汗が肌上ですばやく広がり、蒸散速度を促進できる。親水性の板状粉体と多孔質シリカを組み合わせて実現した。
肌に見立てた人工皮革を用いた検証実験では、プロトタイプの製剤を人工皮革に塗布し、その上に人工汗を噴霧して蒸散するまでの時間を測定した。セ氏30度湿度60パーセントの暑熱環境下で人工汗が60パーセント蒸散する時間を測定した結果、未塗布に比べて蒸散時間が約33パーセント短くなることを確認した。
同社は今後も汗由来の不快感の低減に向けて研究を進める方針だ。
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