「未来になりたい自分の姿」についてグループで話し合う参加者ら=神戸市中央区の神戸製鋼所で2025年11月25日午後2時50分、山本真也撮影

 神戸を代表するモノづくり企業の川崎重工業、神戸製鋼所、住友ゴム工業は女性エンジニアの合同交流会を定期的に開いている。3社とも女性社員の比率は1割前後で、女性エンジニアとなるとさらに少数派だ。社員側から同じ立場同士でキャリア形成や子育てなどで情報共有したり、仲間作りをしたりする場がほしいという声が上がり、2023年に始まった。11月25日に開かれた第7回は、「未来にありたい自分の姿」を考えた。

 交流会はこれまで「仕事とプライベートの両立」「管理職としての働き方」「技術者の専門性」などをテーマに開いてきた。第7回は中央区の神戸製鋼所本社であり、3社の女性エンジニア25人が参加。異業種の女性にも学ぼうと、映画やCMのプロデューサーとして活躍する矢島沙織さん(44)がゲストスピーカーとしてチーム運営の工夫などについて語った。

 矢島さんはシングルマザーで3歳の子育て中。両立のコツを質問されると、「自然に9時5時(午前9時~午後5時の働き)を受け入れてくれる先としか仕事をしなくなった」と答えた。まだ少数だが、子育て中の女性監督や女性プロデューサーが出てきて、仕事場に子供を連れて来るなど、撮影現場に新しい風が吹き始めているという。「無理をせず自分がやれるところと仕事をするだけ」と話した。

 後半は「未来にありたい自分の姿」をテーマにグループに分かれて話し合った。「研究の成果を世の中に生かす」など、「5年後、10年後になりたい自分」を用紙に書き出して、発表したり、感想を言い合ったりした。「日記をつける」「他の部署に足を運んでみる」「わがままになる」など、なりたい自分になるためのアクションも考えた。

 参加した30代の女性は「グループ全員が子育て中のフルタイム勤務という共通項があり、会社で言えないモヤモヤを話せて、すっきりした」。40代の女性は「言うことを聞かない部下との付き合いに悩んでいたが、みんな同じような体験をしており気持ちが楽になった」と話した。

 進行を務めた住友ゴム工業の宮城ゆき乃・サステナビリティ推進部部長は「女性エンジニアはモノづくりを支える貴重な人材。会社を超えてつながることで、新しいアイデアが生まれることもある。大学生とのコラボなども企画したい」と話していた。【山本真也】

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