耳を塞がない集音器「cocoe Ear」

NTT子会社で音響事業を手掛けるNTTソノリティ(東京・新宿)は3日、加齢などに伴う聞こえづらさの悩み解消を目指す新ブランド「cocoe(ココエ)」を発表した。電話で磨いた音の先端技術を活用し、第1弾製品として耳穴を塞がない耳掛け型集音器「cocoe Ear(ココエイヤー)」を2026年春をめどに発売する。

ココエイヤーは、装着時の閉塞感や自分の声がこもる不快感を解消するため、耳に引っかけて装着するオープンイヤー型のデザインを採用した。スピーカーから出る音の波形を制御して耳元に音をとじ込めるNTTの特許技術を活用し、周囲への音漏れを抑えた。12月23日からクラウドファンディングを始め、26年春の発売を目指す。価格は3万9600円を予定している。

加齢で聞こえにくくなる高音をマイクで捉えて増幅し、スピーカーから流して認識しやすくする仕組みにした。音声信号を高速処理することで、本来の聴力で聞こえる環境音と集音器が補う増幅音の時間のズレを抑え、自然に聞こえるようにした。

日本補聴器工業会によると、国内の推定難聴者は1400万人以上にのぼる。難聴に至らなくても日常会話で聞こえづらさを感じる人はさらに多いとみられる。

聞こえづらい状態が続くと認知症や社会的孤立のリスクが高まるとされ、重要な社会課題となっている。NTTの大西佐知子常務は記者会見で「長年培ってきた音の技術知見を生かして聞こえづらさの不安を解消したい」と新ブランドの抱負を語った。

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