京都フュージョニアリングが開発する核融合発電の基幹部品「ジャイロトロン」

島津製作所と核融合スタートアップの京都フュージョニアリング(東京・大田)は3日、核融合発電施設向けの排気装置の試作機を開発したと発表した。核融合炉内を真空状態に維持するための装置で、島津製作所が手がける半導体製造装置向けの製品を応用した。今後性能評価をへて、核融合発電の関連企業や研究機関向けに販売する。

開発したのは排気装置「ターボ分子ポンプ」で、主に半導体製造装置に搭載されている。島津製作所はターボ分子ポンプの世界シェア首位だが、核融合発電向けの製品を開発するのは初めて。核融合で使うトリチウムなどの放射性物質による装置の劣化を防止する構造を採用し、安定的に連続して稼働できるようにした。

核融合発電は太陽で起きている反応を再現した技術で、原子力発電より安全性が高いとされる。温暖化ガスを排出しない次世代のクリーンエネルギーとして期待されている。

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