鈴木憲和農相(右)と山下雄平副農相=東京都千代田区の農林水産省で2025年12月5日午前11時39分、中津川甫撮影

 農林水産省が5日公開した鈴木憲和農相の資産に、「JA山形おきたま」からの借入金として497万円が盛り込まれていた。

 鈴木氏は高止まりするコメ価格の対策として、全国農業協同組合連合会(JA全農)などが発行する「おこめ券」の活用を提唱しているが、一部で手数料収入が入るJA側への利益誘導との批判もある。

 JAと金銭的な利害関係がある状態は、巨額の公費を投じる政策の正当性に誤解を生む恐れもある。

 鈴木氏の事務所によると、借入金は「山形県南陽市の居宅購入に対するローン残高だ」という。鈴木氏はこのほかの住宅ローンとして、4549万円を記載したが、借入先の金融機関名はなかった。

 鈴木氏は同日発表した談話で「資産公開制度は『公職にある者としての清廉さを保持・促進し、行政への国民の信頼を確保する』ため実施することとされており、当該制度は意義がある」と説明。「在職中の清廉さを明らかにすることは、政治に対する国民の信頼を確保する上で有益」とした。

 政務三役の資産では、山下雄平副農相も「佐賀県信用農業協同組合連合会(JA佐賀信連)」から借入金3500万円があった。山下氏の事務所によると、同額の定期預金を担保にした借り入れで、山下氏が代表を務める政党支部に貸し付けている1000万円の原資にもなっているという。【中津川甫】

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