量産終了に伴い製造コストが上昇した自動車用部品の下請け代金を一方的に設定したなどとして、公正取引委員会は8日、自動車メーカー・スズキの子会社「スニック」(静岡県磐田市)の下請け法違反を認定し、再発防止を勧告した。
公取委によると、スニックは遅くとも2024年3月以降、下請け10社に製造を委託した自動車用のシートやマフラーパイプなど318種類の部品について、量産終了に伴い製造単価が大幅に上昇していたにもかかわらず、委託先と単価の見直しを協議せずに量産時の発注数量を前提とした代金を定めていた。
下請け法はこうした行為を立場の弱い事業者への一方的な「買いたたき」として禁じている。公取委の調査に下請け事業者は「赤字は承知のうえで請け負った。協議に応じてもらえるかわからず、そのための書類作成や交渉が面倒で諦めていた」などと話したという。公取委はスニックに対し、通常支払われるべき対価などの支払いを求めた。
また、公取委はスニックについて、遅くとも24年3月以降、発注予定が長期間ないにもかかわらず貸与した金型など計880個を下請け14社に無償保管させたとして、「不当な経済上の利益の提供要請」の下請け法違反も認定した。スニックは保管代金の一部として計841万9937円をすでに支払ったという。【山田豊】
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