
パナソニックホールディングス(HD)傘下のパナソニックコネクトは9日、溶接作業中に飛び散る火の粉「スパッタ」の発生量を従来機より最大8割減らせる溶接機を12日に発売すると発表した。ソフトウエア制御によって電流の大きさなどを安定化させた。電気代と二酸化炭素(CO2)排出量も最大22%削減できるとしている。
新製品の「YD-350NR1」はオプションとしてスパッタの発生量を抑える機能を付けられる。スパッタは溶接で発生する鉄の粉で、部材に付着すると外観が悪化したり、塗装の邪魔になったりするため取り除く必要がある。人手不足もありスパッタが少ない溶接が求められている。
新製品では溶接電流が120アンペア、160アンペアのときに従来機と比べてスパッタが約8割減少する。スパッタが出やすい200アンペアの場合でも38%減らせるという。溶接機本体に設置されたモニターに溶接する板の厚さなどを入力すると自動で電流や電圧が設定される機能も搭載した。
9日に溶接機事業を手掛ける豊中拠点(大阪府豊中市)で開いた説明会で大塚隆史執行役員は「パナソニックは溶接機では日本のトップランナーだった。新製品が現場の最適解になる」と話した。
パナソニックは1957年に溶接機事業を開始し、2000年以降は国内外に200万台以上を出荷してきた。国内市場はダイヘンと二分し、海外でも大手の一角を占めているという。
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